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〜タートルマラソン〜
  Vol.006
2004/11/1
走ったり歩いたりおしゃべりしたりそれぞれのペースで
大会を楽しむ参加者ら=城辺町の東平安名崎で


 「おそいあなたが主役です!」。えっ、本当にいいの、と思ってしまうマラソン大会が宮古にはある。その名は「東平安名崎タートルマラソン」。十月三十一日、二千人余が参加して行われた。大会には本気でマラソンに挑む約二十二`から、子連れで道草しながら楽しめる二`のコースまで四コースが設定されていて 
  選手から家族までが自分のペースに合わせて参加している。
マラソン大会と言えば、「歩くなんてとんでもない。自分との戦い」というようなイメージがあるけれども、タートルでは大半の参加者がゆっくり走ったり、歩いたり、おしゃべりしたりしてゴールを目指している。中には三線片手に歌い、ゴミ拾いもしながらゴールを目指す人たちもいる。
 参加者らも最初は「マラソンと言えば…」と半信半疑な顔で走っているけど、しばらくすると大会に馴染み、おしゃべりをしながらゴールを目指している。この大会の素晴らしいところは、練習しなくても出場でき、マラソン大会を味わえること。コース途中にはエイドステーション(給水所)もあり選手気分を存分に味わえてしまう。ゴールしたら自己タイムが記された完走証とメダルまでもらえてしまうから楽しくてしょうがない。
 田舎の集落を抜けると風に揺れるサトウキビが時を止める。疲れたなと感じる終盤からはキラキラと光る大海原が元気をくれる。海の上を歩くような岬・東平安名崎を進むと真っ白な灯台とともにゴールのアーチが見え、お祭り騒ぎで「よく頑張った」と出迎えてくれる。宮古を丸ごと詰め込んだような大会。
 ゴールではメダルと完走証を手にした参加者らのピカピカの笑顔で溢れている。速かった人も遅かった人もみんな仲良くぜんざいや牛汁を頬張って笑っている。気持ちのいい光景が一面に広がっている―みんなが主役―世の中ってこんな感じでいいじゃない。
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