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〜オニヒトデ〜
  Vol.015
2005/03/15


駆除したオニヒトデを引き上げるボランティアダイバーら=八重干瀬で
サンゴを食べ荒らすオニヒトデが宮古近海で二十年ぶりに大発生している。このオニヒトデ、名前のごとく外見はトゲトゲで猛烈な毒を持ち、刺されたらとんでもない痛みが伴う。きれいなサンゴは見るみるうちに食害されて白化していく。
陸の上に住んでいると気づかないが、海で生活しているダイビング業者にとっては深刻な問題。天気とにらめっこしながら穏やかな海を狙ってはオニ退治に出かけているという。少し前まではオニヒトデが多くなってきたので注意しようという感じだったが、先日のオニ退治では取りきれないほどのオニヒトデがサンゴを食い散らかしている状態で唖然とした状態だったという。
観光立県と自称しながらオニ退治にあまり積極的でない行政に代わり、ダイバーらがほぼボランティアで駆除に頑張っている。オニ退治は見た目以上に大変。トゲに刺されないように回収し、海中から水揚げしないといけない。船上でもカゴからはみ出たトゲで足を刺され、冷や汗をかいたりと四苦八苦。自然相手だけに量も半端じゃない。
宮古在住の海洋学博士によると、手当たり次第に退治すればいいというものではなく、サンゴ礁の保護区域を決めて集中的に守ることが大切だという。中途半端に取ると間引きになって益々オニヒトデの住みやすい環境になってしまうという。
オニヒトデの大量発生は宮古だけではなく石垣など沖縄県内の海では深刻な問題。どこからやってきて、なぜこんなに大量発生しているのか、どうすれば減少するのか、など分からないことだらけ。対応策しか打つ手はない。
宮古というミクロな目ではなく自然のバランスというマクロな目線で見ると大量発生にも意味がありバランスの一環なのかもしれず、一概に善悪で判断できないのが自然。駆除なのか邪魔なのか人間も自然の一部として考えると判断は難しい。
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