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〜イセエビ〜
  Vol.022
2005/07/01

解禁で水揚げされたばかりのイセエビ=平良市漁業協同組合
♪とれとれピチピチエビ料理♪七月一日はイセエビ漁の解禁日。産卵のために捕獲が禁止されていたイセエビが水揚げされ、宮古近海で取れた天然物のイセエビがセリを賑せた。
早朝六時半ごろ、漁港に行くと水揚げされたばかりのイセエビがカラフルな魚たちとともに並んでいる。セリので並ぶものは新鮮なものの、静かに氷と一緒に並んでいることから活イセエビではなさそう。
ピチピチしたイセエビはどこにいるのだろうと探していると、港に横付けされた船がなんだか騒がしい。覗いてみるとプラスチックのカゴにピチピチのイセエビがわんさと入っている。
魚料理屋の買い付けで慌しい雰囲気の中、仕入れた活イセエビを見せてもらうと尻尾をパクパクとさせた元気なエビが…。写真撮影もそこそこに初めて見る元気なイセエビに少々興奮気味の自分に気付く。ふと見るとイセエビは地面を這って歩いている。「こうやってイセエビは歩くのか」と感心してしまう。
水揚げした船長に話を聞いて驚いた。てっきりイセエビは網漁かザリガニ釣りのように釣り上げるものだと…恥ずかしながら思っていた。トンチンカンな質問にも親切丁寧に答えてくれる船長。イセエビは夜行性でサンゴの間や穴から出てきたところを狙って素潜りで捕るというのだ。息苦しい中、すばしっこいはずのイセエビをよくもこんなにたくさん捕まえるものだと感心してしまった。
ことしの調子を聞いてみると、顔を曇らせる船長。
「禁漁期にも捕獲する乱獲がたたり毎年、漁獲量は減っている」と肩を落とす。
イセエビ漁のピークはたったの一週間。この間に近海にいるイセエビのほとんどを捕ってしまうそうだ。宮古産の天然物と観光客にも人気が高いイセエビ。あっという間に海底から食卓へと姿を消してしまうイセエビ…知れば知るほど複雑な気持ちになった。
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