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〜葉タバコの買い入れ〜
  Vol.024
2005/08/1
七月下旬から葉タバコの買い入れが始まっている。宮古ではサトウキビと同様に葉タバコの栽培が盛んで 、農家にとっては一年の暮らしを左右する大きな収入源。
 緑の青々とした大きな葉は乾燥場で乾燥され、茶色のタバコ葉に変わる。大きな四角の布袋にぎっしりと積み重ねられ、大きなブロック状になったタバコ葉は日本たばこ(JT)宮古葉たばこ取扱所に集められ、厳しい品質検査を受け、買い取られていく。
 この取扱所には宮古中の葉タバコが一気に集まってくる。約一カ月もの間、農家が一生懸命作った葉タバコが毎日搬入され、厚い布で囲われた検品場でJTの検査員が袋に詰まったタバコ葉を手で触り、香りを確かめ、葉をめくり上げては中にある葉の色など細かくチェックする。
 緊張感が漂う検査場では農家が真剣な眼差しで検査の一部始終を見守る。検査員の声とともに小さな電光掲示板が光る。AやBと葉タバコの品質レベルが表示され、農家はこの表示に一喜一憂する。
 葉タバコは天候に大きく影響される作物の一つ。昨年は収穫直前に襲った台風で大きな被害を受けた。日照や雨など天候の変化に左右されるという。ことしは収穫前に長雨が続き、収量に若干の響いたようだが、品質には大きな影響はなかったみたいだ。
 濃厚なタバコの香りが漂う取扱所では、生産農家たちがことしの出来栄えや買取価格などを情報交換しながら、互いのタバコ葉を順に出荷している。協力しながら布袋に入ったタバコ葉をレールに乗せて検査場に流していく。一日で何千万円も買い取られていく農家もあれば、振るわないところもある。笑顔と浮かない表情が入り混じり、緊張感が漂う取扱所には農家の生活観がにじみ出る。包み込むタバコの香りと同様にまったりとした時間が流れていた。


品質検査を受けるために出荷した葉タバコを流す生産農家ら=日本たばこ宮古葉たばこ取扱所
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