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〜新市誕生〜
  Vol.028
2005/10/12

宮古島市の市旗を掲揚する市長職務
執行者=市長職務執行者室

とうとう新生・宮古島市が誕生した。誕生するまでにはいろいろなことがあり、五市町村が本当に一つになったということには驚きすら感じる。一つの市が誕生するという明治時代の廃藩置県なみに歴史的な変動のタイミングに居合わせたことにも不思議な感じを覚えずにはいられない。
今回、宮古島市になるまでの過程を間近なところで見てきた。合併協議会をはじめ新市計画策定、新市名称、市町村合併への各議会議決、合併の是非を問う住民投票、合併反対へのリコール運動、合併離脱、単独での自立再生に向けた自衛隊誘致運動、その反対住民集会など書き出したらきりがない。
新しい市が誕生するというのは、役所や議員、市長たちだけの力ではない。やはり根底でそこに住む住民たちの力と故郷を想う人たちの願いが幾重にも折り重なって新市誕生につながっているということを肌で感じる年月だった。
印象的だったのは、新市の名称を決定したとき。当初、宮古市として合併協議会でも難なく決定し、大々的に報道された。岩手県宮古市と同じ名前だったり、宮古島という名前への想いがあったりと、何となくそれぞれの胸に引っかかりがあったのだろう。歯がゆい気持ちは残せない。新市名称を考え直す集会やアンケートなどが行われ、決議した宮古市も合併協議会でひっくり返り、「宮古島市」へと住民の思いが反映された。
外から見ると、たかが名前に思うかもしれない。ただ決めた名前を変えただけでしょうと思うかもしれない。しかし、法定協議会で住民の声が明らかに届いた瞬間が新市名称の決定だった。民主主義は一応機能しているんだと感じた瞬間でもあった。
郷里の京都が建都千二百年祭をしている時も、ここまで身近に感じなかった地域への想い。なぜ自分が宮古島の歴史的な瞬間を、島の人たち以上に身近な場所で、変遷の様子を見届けてこられたのか不思議に感じてしょうがない。十月一日、新市が始まった。バラバラだった市町村が一つになり動き始めた。これを機に今まで以上に一人ひとりの手で大切に宮古島市を発展させてほしい。素晴らしい新市発展を願う。
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