宮古島ドットコムの連載企画
「宮古島はちゃめちゃ移住計画」



vol.027 8月31日
「中年男の落ち込み」



ベランダから:今日の空

こうしてパソコンを開いている部屋の窓から海がおいでおいでと呼んでいる。

この時期は大潮が待ち遠しい。少し泳ぐだけでいつもは行けない場所にすぐに行くことが出来る。夫の誕生日に新しいシュノーケルセットをプレゼント!「もったいないなあ。まだ、使えるのに・・・。」なんて言っていたのにいざ使ってみると「これはいい。やっぱり高いのは性能がいいなあ。」と、海の真ん中で嬉しそうに言った。「近眼なのに海の中は見えるの?」「馬鹿だなあ、海の中でも遠くは見えないけれどすぐ目の前は見えるんだよ。」「ああ、そうなの?」「お前は老眼だから、もしかしたら俺のほうがうまく見えるのかもしれないぞ。」だって。

 この季節の空と海のコラボレーションは非常に美しくて、ベランダからいつまでも、離れることが出来ない。

真っ青な空に白い入道雲。水平線がくっきりと浮かんで見える。潮が引いているのが見える。「海、行きたいねえ。」「ああ、お客さんが来なければいいよ。」そう言っているうちに次のお客様が到着して結局いけずじまい。

夜空には満天の星。流れ星。天の川。時々頭の上を大こうもりがバタバタと飛んでいく。どうやら我が家の上空は大こうもりの通り道になっているらしい。そういえば、昨年はあんなに騒いだ「ヤシガニ」が今年はたった3匹(ハイ?)お目にかかっただけで見当たらない。去年が異常だったのか、今年が異常に少ないのか定かではないが、夜のドライブをしていても寂しい。

そんな話をしながらネットでいろいろ検索をしていたとき、「オカヤドカリ」に出会った。赤いヤドカリは珍しいと書いてあった。すると夫が言った。

「ヤドカリを飼おう。」「お母さん、ヤドカリを探そうよ。」「いいよー。」

そして散歩に出るとすぐに赤いヤドカリを2匹発見!水槽に入れてドラゴンフルーツを与えた。「かわいー!」「食べてる。食べてる。」中年夫婦の小さな楽しみがまたひとつ増えた。

引っ越してきたときに植えたドラゴンフルーツが花を付けた。思ったより大きな花で白くてゴージャスである。かすかに香る甘い匂い・・・。

早く実を付けてほしいと、毎日夫が水遣りを欠かさない。食べたいわけではなく、初めて我が家で花咲いたドラゴンフルーツは自分の子供の成長を見るような感じで毎日楽しく鑑賞させてもらっている。そんなことも含め、最近上野新里の田舎がとても素晴らしく感じるようになった。下里通りに店を出してから余計に上野の良さが身にしみて感じられるようになった。昨年、みのもんたさんの思いっきりテレビで放送されたことが思い出される。日本で一番マイナスイオンが多いのは上野新里だということ、風速、気温、湿度、日照時間などを総合していくと、日本で一番マイナスイオンが多い場所らしい。こんな素晴らしい条件の所に住んでいることを改めて感謝した。「神様、ありがとう。」

今年の5月のこと。市の職員が我が家を訪ねてきた。熱帯植物園に工芸村を作るというお話だった。夫の万華鏡館もその中に入れてくれるという。毎月1回、そのことで話し合いをしている。いわゆる「チーム」が結成されて、いろいろ話し合うのである。今月は数日前に行われた。その時、夫は駐車場で呼び止められた。「ちょっと、ちょっと、松井さん、この前も注意をしようと思ったのだが・・・。昨日も奥さんに言っておこうと思って店に行ったけど留守だったよ。あのねえ、タオルは首に巻かないほうがいいよ。みっともないから。」と、ある人に注意されたと落ち込んで帰ってきた。「なんで?あなたは異常に汗をかくからタオルがな


庭のハイビスカス

ければぼたぼたと下に落ちてみんなに汚いと思われるじゃない。何でタオルは駄目なの?」「そう、中には汗でびっしょりの人も居て机にポタポタ落ちている。そっちのほうが気になるよな。」

そう言いながら「おれ、ハンカチだけじゃあ自信ないよ。何でタオルじゃあ駄目なのかなあ、今日はそう言われたから、タオルをしたに置いて、時々汗をこっそり拭いたけど・・・。」「その人が隣に座ったけど結局最後まで一言も話せなくなってしまったよ。あー、落ち込むよなあ。何でかなあ。」もう、夫の頭の中はタオルと汗のことでいっぱいで、その日どんなことが話し合われたのかさえも言ってくれなかった。中年男性は弱く、傷つきやすい。


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