「わぁお母さん見て!綺麗!綺麗!なにあれ!」「あっ本当だ!何だろう」
なだらかな坂道を降りていくと、目の前に広がる幻想的な世界。
「だからこんなに車が多いんだね。おかしいと思ったわ」
目の前に広がっていたのは、イムギャーマリンガーデンに灯された灯りの数々。
いつも見慣れた夜の景色は一変していた。
公園の展望台から海岸まで灯された灯りはまるで京都の大文字焼きを思わせるような光景だった。
海の上にかかっている橋に灯された灯りは水面に映ってキラキラと
揺れていた。心地よい風が頬を撫でる。
あまりの車の多さに驚き、私達はUターンをし今来た道を帰った。
「もしもしお父さん、イムギャーマリンガーデンがすごい事になってるよ」
「おぉ知ってる。」「今から迎えに行くから一緒に見に行こうよ。」「俺は行かない」「なんで?」「行かないって言ったら行かない!」
一旦言い出したらきかない夫だが、この幻想的な光景を見せたくて迎えに帰った。
「すごく綺麗だから一緒に行こうよ。」生返事をしながらしぶしぶと夫は車に乗り込んだ。
さっきの道とは反対の方向から私達はイムギャーマリンガーデンに向かった。
相変わらず道の両サイドには多くの車が駐車されていて思うように進まない。いつか行った高台の売地を思い出し、そこに駐車した。
イムギャーの全体がよく見える。
「お母さん。あれなに?」その声に驚き、私は娘のいる方向を見た。
蛍だ!
貝殻を使ったランプシェール |
久しぶりに見た無数の蛍は、思いがけない神様からのプレゼントのようだった。高台から見下ろしたイムギャーの景色と今目の前にある蛍の乱舞になぜか胸がドキドキした。
親子3人で同時に感動する場面に出くわすのは、まれだと思う。これこそ宮古島に移住したからこそ味わえる感動だ。
水面に設置されたステージでは、民謡のコンクールなど数々の催し物が行われていた。
私達はもっと近くで見たくなり、車を走らせた。すごい人だった。
これほどの人間が宮古島にいたのかと思う程だ。
空いているスペースに車を入れ、歩き出した。
特設のテントでは、てんぷらや焼き鳥、お酒などを格安で売っていた。
食事を済ませた私達だったが揚げたてのてんぷらに誘惑され買ってしまった。
ふと横を見ると夫がニヤニヤと笑いながら泡盛を受け取っていた。
生ビールを飲むような大きなカップになみなみと入れられた泡盛は一杯100円で売られていた。機嫌の悪かった夫は、その時点で上機嫌になった。
娘に手を引かれて暗い道を展望台に向かって歩いた。展望台に着くまでには海の上にかかった橋を渡る。両サイドにろうそくの灯が灯されている。
時々、波が足元まで寄せていた。
「こんなに素敵になるんだったら、宮古島環境協会が毎日ろうそくを灯しに来ればいいのにね。」「そうだよなぁ。こんな風だったら俺達だって毎晩来るもんな。」「7時頃から10時頃まで付けてるだけでもすごい呼び水になるよね。」「この風情は絶対観光に使うべきだよなぁ。」「うん、私もそう思う。」
初めての情景に3人とも興奮していた。たぶん、周りの人全てが同じ感動を味わったと思う。
今まで宮古島の多くのイベントを見てきたがこんなに素晴らしいイベントは初めてだった。第一回だと言うこのイベントだが、末永く大きく育ってほしいと心から願った。
橋の横には珊瑚石でできたテーブルとイスがある。幾度と無くこの場を訪れた私達だったが、一度もこのイスに座ったことは無かった。
この日はこのイスに座り、波の音と水上ステージから流れてくる音楽に耳を傾け、至極の時を味わった。
十五夜のイベントらしく空には大きなお月様が光り輝いていた。
水面に映し出された月は、ステージの華やかさにもまして美しかった。
本当に素晴らしい夜を久しぶりに送ることが出来た。
ありがとう宮古島! ありがとうこの催し物を考えてくれた人!
ありがとうお月様!
たった一日のイベントだったけれど、私はあの情景を一生忘れないだろう。
毎年行われるのかな?!
貝宝館広場にて…亜美 |
きっと大好評だったと思う。こんなイベントが宮古島のあちこちで行われるようになったら観光の島宮古島がもっともっと有名になっていき、宮古島に住んでいる人たちが改めて宮古島の美しさを再認識し、自然を守っていこうと言う思いが大きくなっていくと思う。