Aちゃんが内地から戻ってきた。「ママさーん。ただいまー」玄関先にAちゃんが立っていた。ちょっと恥ずかしそうに、でも、とっても明るい表情だった。
「お帰り、元気そうだね。待っていたよ。」私は思わずハグハグしてしまった。
決して大きくないその体に、どれ程の決心をしてこの宮古島に永住しようときたのだろうか。見るからに、か弱そうで何とか彼女を守ってあげたいと思った。
でも、今の我が家はとてもアルバイトを雇うほど余裕はない。けれど娘と同じ年の女性が、突然宮古島で働くことも簡単なことではないとわかっていた。
私たちは彼女をアルバイトとして採用することにしたが、お店は忙しくないのでネット担当という形で来てもらう様になった。
看板の作り直し/1 |
でも、結局、ネットの中のショップもそれほど、忙しくないし、売り上げもあまりないので毎日、「今日は何をしてもらおうかな?」と、悩むこともあった。それでも、Aち
ゃんは一生懸命努力して、自分のするべきこと、今何をしたら良いのかを考えながら自分の居場所作りをしている。今では、お店のこともネットショップのことも全て
任せても安心!
おかげで娘と二人で長期の旅行に行くことが出来る。(Aちゃん、後のことはよろしくね)
彼女はとても利口で頭の回転も速い。今後は二人で何かをしたいと思っている。今はとりあえず目の前のことを片付けているが、「いつかきっと、パワーストーン&
手作り万華鏡館を宮古島で有名にしたいね。」と、女性二人で夢を語り毎日を過ごしている。
そんな会話をよそに、夫はひたすら万華鏡作りに没頭していた。
さて、Aちゃんは3日くらい前から、体の調子がおかしいと言って金曜日に病院にいった。行く前にはしっかりインターネットで時間を確認して、朝10時頃に宮古
の大きな病院に行ったそうだ。すると、受付で午後1時に来るように言われ午後になり病院に出かけた。「初診ですからこの紙に記入してください。」と言われ、まあ
、どこの病院でも当たり前のことだから、ここまでは特に困ったことはない。
ところが記入している途中「ああ、今日はやっぱりやっていませんから月曜日から木曜日の間に来てください。」と言われた。「はあぁ?わかりました。」何も言わずA
ちゃんは帰ってきた。「ママさん、聞いて下さいよ。昨日、病院に行ったけれど今日はやっていない。と言う事で見てもらえませんでした。」親代わりの私は、心配で
しょうがなかった。
看板の作り直し/2 |
そして、昨日、今度は1時に行くと「初診は午後3時からです。」「はぁ?3時からですか?」「ええ、3時にきてください。」Aちゃんは再び家に戻り3時に病院に行った
。おかげで金曜日もこの日も仕事にはこられなかった。「みんな言うことが違う。」と、おとなしい彼女さえ憤慨していた。
娘が言った。「これじゃあ、具合が悪い人はどうすればいいの?」「そうだね。」「Aちゃんはどこの病院に行ったの?」「○○病院」「大きいところがそれじゃあねー。
」「病院選びも大変だよね。」
そして、今日のこと。
私は娘と二人で眼科の病院を訪れた。
前回、娘が瞳に傷がついてコンタクトレンズが入れられなくなったので見てもらってから、ほぼ3週間がたっていた。
私も前回、一緒に見てもらったのには理由がある。
「網膜色素変性症」という、目の病気で、だんだん視野が狭くなり、失明してしまう病気だ。移住を決心したひとつの理由である。
内地の大学病院に通院していたがこちらに来てからは薬局の目薬を購入して済ませていたのだった。どちらにしても治らない病気だから目薬を使うくらいしかやる
ことがない。サングラスをして目をかばうとか、目を酷使しないとか・・・。こちらに来てからも同様、あまり、外には出ないので目は痛まないけれど娘が眼科に行くの
なら、かかりつけのお医者さんにしようと思って一緒に行ったのだった。
視力検査等をしてもらい、先生に今までの状況といきさつを話し、目薬を処方してもらった。いくつか検査をしてもらったが、やはり他に治療法がないから目薬を貰
ってくるしかない。「多めに出してください。」「はい、では多めに出しておきましょう。」4本の目薬を頂いて帰った。結構、設備の整った目医者だと思った。「良かっ
た。」
そして、今日、娘が眼科に行くということで「私も目薬を貰う。」と言って一緒に出かけた。
「すいません。目薬だけ頂くことはできますか?」妊婦さんの受付嬢は「診察券を出してください。」
診察券を見ながらパソコンに入力してカルテを持ってきた。「視野の検査をするようになっていますよ。」「あ、そうですか?でも、今日は他にいろいろ用事があるの
で検査はいいです。目薬だけ処方していただきたいのですが。」「目薬?もうないのですか?4本出ていますけど?一ヶ月持つようになっていますよ。」(さっき、目
薬だけ欲しいって言ったじゃない)「ええ、一日5回位さしていますので・・・。」「1日3回と書いてあるでしょう?」「ええ、でも、パソコンとか、やることが多いので5回く
らいさしてしまうので。」「3回で1ヶ月持つようになっているんですよ。」(何?この人!)「5回さすと、いけない目薬なんですか?」たまらず、娘が寄ってきた。「えー
っと、お母さんは1日5回くらい点眼したので、もうすぐ、目薬がなくなってしまうのですが、検診しないと、目薬は頂けないのでしたら)それは仕方ないのでいいです
。」「なんで目薬がないんですか?1日3回と書いてあるはずです。1ヶ月持つようになっていますから。」(これって、騙してもらいに来たみたいじゃない。)「わかりま
した。じゃあいいです。」奥から他の人が出てきた。彼女はその人に同じように言いつけた。「今日は検査をしませんか?」「ええ、前回検査していただきましたし、
この前、内地に行った時にかかりつけの病院で視野の検査はやってきましたので、目薬だけいただけないかと思ってきました。今はまだ、1本と半分位あるのです
が、ヨーロッパに1ヶ月くらい旅行に行くので、少し多めにいただければと思ってきたのですが、そこまでの会話が出来ませんでした。」その会話の間、妊婦さんの
受付嬢は何度も、「1か月分を3週間で使ってしまったんです。1日3回と書いてあるのに。」と、しきりに文句を言っている。
「松井さーん」奥から娘を呼ぶ声が聞こえた。娘の順番になった。診察中「先生、お母さんの目薬も下さい。暫く旅行に行くので多めにくださいませんか?」と、聞
いていた。「はい。わかりました。では、あなたの目薬とお母さんの目薬を多めに出しましょうね。」・・・一件落着・・・
何だったの?あの受付嬢は?(先生に聞くとかしてくれてもいいのに。受付でみんなの前で大きな声で叱りつけられた私の身にもなって欲しいよ。)(これじゃあ、
受付拒否じゃないの?)まったく、気分の悪い思いをした。
Aちゃんもきっとこんな感じだったと思う。
先生がどんなに良くても受付でこんな態度を取られたら「医者の押し売り」状態になる。
Aちゃんの方は「受付の人の気分」みたいに感じる。
どちらにしても、宮古島は病院が少なくて大変である。とにかく医者にかからないような健康体でいなければと思う。看護師も先生もきっと、毎日大忙しだろう。でも
、受付の対応の悪さも結構人からも聞くし、自分の体験、Aちゃんの体験からも見えてくる。
移住者の中には病院問題が原因で内地に帰る人もいる。
安心して命を預けることが出来る病院が、一日も早く宮古島にできるといいな。