宮古島ドットコムの連載企画
「宮古島はちゃめちゃ移住計画」



vol.050 3月21日
「家を建てよう その3」


いよいよスラブ打ちの日が来た。

4月4日だ。

そう、甲子園の決勝戦で沖縄が優勝した日。

夫がオーシャンシギラの社長に無理を言って工事を早めたのだった。

・ ・・私の誕生日・・・

3日前に知らされた。

「お母さんの誕生日にスラブうちになったよ。」(内地では棟上式)

粋なプレゼントだった。

私たちにとっては3軒目になる家。だんだんと大きな家になっていく。

「パパはたいした人だね!普通の人は一生の間に1軒の家を持つのもままならないのに、こうして宮古島に来ても家を建ってもらえるなんて私は嬉しい。ありがとう。しかも誕生日に棟上なんて感激。」夫の思いやりと優しさと愛情を改めて感じた瞬間だった。

 当初、私たちはスラブ打ちのお祝いはしないと決めていた。

だって、親戚も知り合いもないし、誰も祝う人なんていないと思ったからだ。

でも、オーシャンシギラの社長や下地設計事務所の社長たちが「絶対にやれ!」

「俺たちが全部用意するから祝いは絶対にやってくれ!」って言ってくれて

ささやかながらお祝いをしたのだった。

ところが、後から後からお祝いに駆けつけてくれる人で狭い庭がいっぱいになった。

大工の棟梁や水道・鉄筋・設計事務所・の人達。

知らせなかったのに駆けつけてくれた今住んでいる新里部落のみなさん。

30人くらい居たかしら?

西原プロパンのおかみさんは私たちのために前日からお祝いのお料理を作ってくれて山ほど天ぷらを持ってきてくれたのだ。

知らせていないのに・・・嬉しかったよ〜。

でも、ここでまたひと騒動もふた騒動もおきたのだ。

騒動@料理

お祝いの料理、オードブルを20皿頼んだのにお金だけ持っていって届いたのは15皿。

しかも一番高いお刺身の皿がない。

「松井さん、刺身がないねえ。」「お前、ケチったなあ。」なんて酔いに任せて言う人もいる。

「ナイチャーだから、適当にされたのかもね。」

「約束と違うなあ。」

私と夫が小さな声で言った。

そこに西原プロパンの姉さんが料理を持って登場したのだからみんな大歓迎で盛り上がった。

「やれやれだな!」「ホント!」「この料理が無ければ興ざめもんだよな。」

「後で電話して文句言ってよ!」「まあ、まあ、」

そんな調子で約2時間弱。

そろそろと皆が帰っていく。

後は社長族と数人だけが残り、飲んでいたそのとき・・・

「すいません。刺身忘れました。料理を届けて家に帰り、野球見ていて事務所に帰ったら刺身があったのであわてて持ってきました。」

(ふざけるんじゃねえ!)皆の心の中の声!

私と夫の心の叫び!・・・理由が・・・理由が・・・プロでしょ?料理屋でしょ?なに?

今の理由は・・・!

お祝いの席だから穏便に済ませようと「はい、ご苦労様」

でも、この大皿の刺身の盛り合わせ5皿は5人では食べられない。

しかも2時間も放置されたとわかっているものを誰も手を出さない。・・・

爪で拾って箕でこぼす・・・とはこのこと。

もったいないが捨てるしかないのだ。

騒動A夫の失敗

スラブ打ちも無事終了して宴も終盤になったころ、二階の仮階段部分で夫が酔って叫んだ。

「おーい!ここのスラブが汚いからやり直してくれ!」

「もうだめだよ。」

「だめじゃあない、ちょっと直してくれ!」

なに?なに?何が起こっているの?

パパはベロンベロンに酔っているはずなのにどこで叫んでいるの?

あー!アー!あー!

「降りて、降りて、パパ!危ないからすぐに降りてきて!」

フラフラしている。落ちそう!

「誰か!落ちちゃう!助けて!」

みんな酔っ払っていてすぐに行動に移せない。

私が走り、シギラの社長が走って二階に駆け上がった。

「俺は大丈夫だ〜、だ・い・じょ・う・ぶ〜。」(お願い!そのまま動かないで!)

と・と・と・と・・・・後ろにひっくり返りました。

せっかく打ったスラブはパパの後姿がくっきりと!

しかも起き上がろうともがいたので手のあともいっぱい!二度目に尻もち・・・

もう、ぐちゃぐちゃ・・・

さっきまで「いい天気で乾くのが早くてよかったね。」って言っていたのに。

半乾きだから始末が悪い。

ちょっと汚いって文句言うつもりだったらしいけど自分がひどいことにしちゃって・・・

「すいません。すいません。」私は平謝り。

夫は3人がかりで二階から引きずり降ろされた。

嬉しかったのだと思う。調子にのったのだと思う。

でも、・・・・

結局、飲み会は中止でセメントを塗りなおし。

・ ・・・・そして、みんな帰っていった・・・そして 刺身が届いたのだった・・・

騒動B夫の醜態

社長族と私たちだけになり、落ち着いて話をし出したその時、夫がいなくなったのに気づく。

ふと、胸騒ぎがして2階を見たら

「ア〜ァ!また居る!お父さん!お願い!動かないで!」

今度は私が駆け上がり押さえつけた。すぐに3人で足と両腕を持って降ろした。

(今度は引きずり降ろす感じだった)

「もう、勘弁して欲しい。」

私は近くにあったロープで自分の体と夫の体を縛って座った。みんなが呆れて笑い出した。

そのうちに夜も更けて二人だけになり、夫を車に積み込み自宅に帰った。

片付けと、夫の面倒を見てくたくたの一日だった。

とりあえず、1回目のスラブ打ちは無事?終了。


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